別れ、そして男の流儀

女の大きなスーツケースを持った男が出てきてタクシーにそれを乗せ、後からきた彼女と別れの抱擁をした。 この二人はもう二度と会うこともないだろう。
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そして男は見送ることもなく、車が走り出すときも振り向きもしないで家へ入ってドアを閉めた。 ...そう、それでいいんだ。
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ここで未練がましく車が見えなくなるまで手を振って立っているとか、いわんや女の前で涙を拭うなんていうのは男ではない。 この別れの瞬間、彼女との数々の思い出が吹き出して目の周りが膨張し、喉や胸が張りさけそうになりながら何でもないようにスパッと装うのが男の流儀なんだ。
[R-D1s]
by scottts | 2010-08-05 00:03 | SUMMILUX 50/1.4 | Comments(27)
Commented by rollipop69 at 2010-08-05 00:16
こんばんは♪

なんてかわいいおうち。。。
これって、ペンションみたいな感じですか?
scottsさんの、エッセイがとっても素敵です♪

あたしはその昔Berkeleyの古い学生寮にいたのですが
帰る際、ルームメイトだった子と、やはりこのように
ハグをして別れましたが、バックミラーにうつってた彼女は
道路につっぷして、号泣していたのを発見して、引き返し
もう一度、話をし、ハグをして、飛行機の時間があぶなかったです^^;

やはり、別れ際は、この男性のように、あたしも雄々しく、凛々しく
行くべきでした!!(あたしはれっきとした女ですが・・・)
Commented by thejetmole at 2010-08-05 01:22
分かります
ずいぶん前で、状況は違うけれど、片付けて行ったはずなのに、ふと残された物を見て、言葉も出ない虚脱感
Commented by scottts at 2010-08-05 04:45
rollipop69さん、これは一般住宅ですが、楽しく飾ってますね。 周囲に住宅ビルが建ち始めてますが、
こういう個性的な家は残っていってほしいです。 バークレイに住んでおられたのですね、とてもトレンディな学生の街ですね。
よく仕事で隣のオークランドやアラメダへ行きましたからバークレイで食事をするのが好きでした。 
そんな別れは特に辛いですね。 いえいえこんな男の流儀ではなく、思い切り感情をだして下さい^^。
Commented by scottts at 2010-08-05 04:47
thejetmoleさん、どんな事情だったか知りませんが、残された物でぐっと思い出がよみがえる
その気持ちはより分かりますねえ。 そしてその虚脱感もよく理解できます。
Commented by sa55z at 2010-08-05 06:43
しかしこれって民家なんですか?
そして男手でこれを維持してくんでしょうか??
無理無理、裏がありそう(笑)
Commented by scottts at 2010-08-05 08:13
sa55zさん、これは民家です。 うちの近所にもこういうのがありますが、大体男性が趣味でこつこつと世話をしていますね。
ところで私の写真は撮るときに自分の好みでほとんどが勝手な思いこみでイメージを膨らませます^^。
Commented by tullyz2 at 2010-08-05 08:57
これってただの出張とかではないのですか? 二度と会わないお別れ?
この家の花は奥さんの趣味なのでしょうが、それを置いて出て行くなんて
できるのでしょうかね・・・。
Commented by scottts at 2010-08-05 12:24
tullyz2さんのおっしゃる通りかもしれません。 でも花は女性だけ趣味にするものではないかもしれませんね。
私が写真を撮るときは事実性を報告するより、被写体が語る、自分が感じた物語性を撮ることのほうが楽しいです。
この写真の場合、大きなスーツケース、タクシー、抱擁、男が見送らずに去る、等で上記の物語が浮かびました。
そうかもしれないし、事実は別の情況かもしれませんね。
Commented by k7003 at 2010-08-05 15:01
事実、現実、真相がどうであるか、あったか、は、どうでもいい。
こういう見せ方をしてくださったことに、なかなか凡庸な人間にできない切取り方をしてくださったことに、カンパーイ!!!
Commented by Jun at 2010-08-05 19:54 x
スコットさんの想像力に脱帽です。
私が見ると「花の綺麗なペンション!」で
終わってしまいます。ドラマですね・・・・
Commented by yuki at 2010-08-05 21:47 x
scottts さん、こんばんは。
 東南アジアのどこかのお国を思わせます。 でも、こいのぼりが見えますね^^。

 scottts さんのひらめき?はすごいです。
 事実、その通りかも知れません(笑)。
Commented by yoshipass at 2010-08-06 00:17
この家の華々しさ(花々)や、こいのぼりの趣味は別として、
いつもながらscottts さんの想像力(創造力)には脱帽です。
しかし、scotttsさんの文章、意外と事実かもしれませんね
・・・階段を登る男性の肩がガックリ落ちてます。
Commented by scottts at 2010-08-06 02:48
k7003さん、ままごと的キャプションと写真に乾杯して下さってありがとうございます^^。
Commented by scottts at 2010-08-06 02:51
Junさん、いつも写真を撮りながらこんな風に遊んでしまします。
キャプションをつけなくて、そんなタイトルでもよかったですよ。
Commented by scottts at 2010-08-06 03:01
Yukiさん、この民家は東南アジア風にも見えますね。 こちらは年中「空に泳ぐ魚」の飾りがありますね。 鯉であれば日本から来たのかもしれません。
そういう背景のように思えますよねえ^^。

Commented by scottts at 2010-08-06 03:06
Yoshiさん、シーンを見て勝手に物語を思ってしまうんです。 そうでしょう、この一連の彼らの動作とか
総合して考えるとそんな筋書きが見えてきますよねえ。 階段をとぼとぼと上がって行きましたし、空も曇ってましたし。
Commented by ramble-leica at 2010-08-06 10:24
ドラマ!scotttsさんの脳裏が・・・
Commented by scottts at 2010-08-06 15:47
ramble-leicaさん、いつもこんなことを考えながら撮っているんです^^。
Commented by minton at 2010-08-06 18:15 x
瓦の色が素敵。

僕も勝手な想像をしながら、人を眺めたりします。
田舎じゃ人に出会うこともあまりないので諦めていますが、東京は想像力を逞しくさせてくれる場所です。
Commented by のりか at 2010-08-06 23:55 x
scotttsさんにしか表現できない、画像としての写真を超えた世界がここにあります。
少なくとものりかの知るフォトグラファーさんの中では唯一無二です。
「被写体が語る、自分が感じた物語性」ですか。
ピー君ではないですが、ますます虜になってしまっていますねぇ。
Commented by のりか at 2010-08-06 23:59 x
↑ 今読み返して、追記させてください。

「虜になって・・・」の主語はのりかです、念のため^^
Commented by pretty-bacchus at 2010-08-07 00:49
こわ〜〜〜いお話です!
スコットサンもきっと怖い男かもしれませんね〜〜〜?

Commented by scottts at 2010-08-07 01:28
mintonさん、そうですね、色が南国風でいいですね。 様々な人生をふっと覗かせてもらっているようで
うまくいっていそうだったらこちらも明るくなるし、ひどそうだったら気持ちが重くなります。 でもそれぞれの物語に興味があります。
東京は人が多すぎて^^疲れます。
Commented by scottts at 2010-08-07 01:37
のりかさん、ほとんど夢遊病の域でしょう^^、でもそれを好んで下さるとますます図に乗ってしまいそうです。
蘭子ちゃんは頭飾りの子供が2つ生まれました、間もなくもう一つ生まれます。 ピー君はあきらめずに思いを寄せていますよ。
のりかさんも虜になったり虜にさせたりですね。
Commented by scottts at 2010-08-07 01:43
pretty-bacchusさん、こういう結末はちょっと怖いですね。
男の流儀なんて言ってる私は実は全くダメで、こんな場面では
タクシーが見えなくなってもずっと立ち尽くして見送ってます。 ハチ公系なんです^^。
Commented by nori at 2010-08-07 11:41 x
物語るスチル写真が撮れた時の喜びは最高ですよね。
それを補うscotttsさんの妄想(笑)が堪りません^^
Commented by scottts at 2010-08-07 15:43
noriさん、ここまで物語らせてもいいのだろうかと思いましたが^^
張り付けたり剥がしたり、もう好き勝手にやってますよね。
でもこの情況では、こういうことだと思いますよね。
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