これからの事

一年ほど前から考えていた。この歳になって残された時間をどう使うかという命題だが、漸く心に決める事ができた。今までの人生を顧みると、これも途中でどんな変化があるのか今は知る由もないが。

現在ウイークデイの大半はオフィスで過ごす。しっかり仕事に勤しんでいるかといえばそうでもなく、取りあえず拘束されていると言っておこう。プライベートの時間はシンフォニーコンサートとミュージカル観劇、その他シアター関係で年間30回以上費やす。そして野球や、サッカーなどのスポーツ観戦もある。その他映画も20数回は劇場に足を運んでいるだろう。レンタルビデオで映画を家で見ることも多い。朝食や夕食は料理の種類や内容に拘わらず時にはテレビを見ながら、時には音楽を聴きながら、時にはワイフと世間話をしながらだらだらと時間をかけて食べる。娘夫婦や息子夫婦に会ったり、友人と会ったり、その他家仕事やら犬たちとの日常の諸々。そして本を読んだりたまには思考からはなれ、ぼんやりしている時間も大切だ。

そしてこのブログだが、写真はRAWで撮るのでその現像と、自分がそれを写した思いができるだけ正確に表現されるよう、必要であれば描写の微調整も行う。選んだ中からブログに載せる写真を決めるのは時間をかけて慎重に考えるし、最近ので気に入った写真がなければ過去に戻り選ぶこともある。そしてブログにいただいたコメントをなるほどなるほどと読み、コメント先も訪ね学ばせてもらう。
これらを重ねるとライフ使用時間はほぼ満タン状態だなあと思う。

さて、私事だが6才上の兄が数年前アルツハイマー型認知症になった。先日、日本の兄を訪ねたが、弟を認識してくれているようで握り返してくれた手の力は強く、こちらの顔を見つめる目は何かを訴えているようで一瞬抱きしめたくなったのが思い出される。精密検査の結果、兄は遺伝性アルツハイマーだった。母も晩年はアルツハイマー型認知症で余生を過ごしたのだ。ということで自分も遠くない将来、罹患する確率は高いらしい。自分がその世界へ入ってしまったらカメラを持たせてほしいと思う。そんな状態の自分が我を忘れた視点で何をどう撮るか、そしてそれはどんな写真になるのかとても興味がある。

1998年初夏の夜、脳膜下血腫で緊急手術をした、6時間遅れれば今この世にいることはないというぎりぎりにつかんだ幸運だった。開頭手術をしたので脳もぴかぴか新品になって認知症にはならないだろうとの願いもある。しかしもし自分を見失うことになるかもしれないことを考えると、しておきたいことは今すべきだという強迫観念にとらわれる。

数年前までクラシックギターを弾いていた。趣味の範囲であるが譜面から拾って出てくる音やメロディに喜んだり、驚いたり、楽しんだりと、あの感慨が忘れられない。完奏できた「アルハンブラの思い出」やフランシスコ・タレガの様々な曲、ショパンやバッハの編曲など、すべて弾けなくなってしまった。楽譜から自分の指で音階を生み出す興奮も遠い昔のこと、先ずはこれを取り戻したいと思った。

そこで、その時間を作るためにscotttsブログの更新パターンを変更しようと考えた。止めるのではなく、写真を撮ることは今まで通り続けるので一ヶ月に一度、月初めの更新にするつもりだ。写真に関してはいつか個展のようなこともしてみたいし、朧げながら他の企画もある。

コメントは置かなくても毎日ブログに自分の拙い写真見にきて下さっている方もいるのは、本当にうれしく感謝している。そんな期待に背いてしまうようで、とても申し訳ないという気持ちがある。ブログのコメント欄はキープしておくので何かと連絡(メールもOK stsumura@seanet.com )があれば使ってほしい。交信していた方々のブログにはできるだけ訪ねさせていただくつもりだが、相変わらずのすばらしい写真をどしどし載せていってほしいと願っている。
ここに来て下さっているすべての皆様、ありがとうございます。また会いましょう。お元気で!
by scottts | 2011-06-08 00:38 | その他
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