初恋

小学校五年生の頃、音楽の先生の娘さんで別の学校に行っている一つ上の子だった。
器楽部にはいっていたのだが、放課後の練習の時たまに彼女が父をたずねてきていた。
話をしたこともなく離れたところから眺めるだけだったが、父親譲りのバイオリニストで
一度皆の前で演奏してくれたことがある。 部屋の隅で静かにバイオリンを取り出し優しく弾き出したその音は
この世のものと思われないトーンだった。 それ以来、いつもその子が視界の中心で輝いていた。
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by scottts | 2008-09-07 00:48 | Summaron 35/3.5
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